ふぁんたろうの徒然草

イングランドプレミアリーグ、チェルシー中心に色々語るマンです。選手紹介から寸評までなんでもござれ。

「伝説」の一夜。11-12シーズンCL決勝を振り返る 【チェルシー観戦記】

こんにちは。代表ウィークということで暇を持て余している(睡眠時間は伸びている)私です。

早くプレミア再開しないかなあ。

 

さてこそ暇を持て余しているといったもののチェルシーサポーターにとっては今週末から再開されるリーグ戦に加えて楽しみなイベントがありますね。

 

 

 

誰もが認めるチェルシーのレジェンド、ディディエ・ドログバが来日、イベントを行うということでチェルサポのみならず日本のサッカーファンも興奮する事態に。

 

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(The Indipendentより)恒例のセレブレーション。

 

 

もっともチェルサポ以外はやられたイメージが強く、特に日本代表のサポーターの中には2014ブラジルW杯で登場のみで空気を一変させた苦い相手という認識の人も多いでしょう。

 

 

そんなドログバですがこの発表の後、現役引退を表明しました。チェルシーのみならず「アフリカの英雄」とも称されるサッカー界のレジェンドの引退に際し多くのサッカー関係者から労いの言葉がかけられました。

 

 

ドログバがキャリアの全盛期を過ごしたのが我らがチェルシー。多くのタイトル獲得に多大な貢献をしました。今日はその中でもドログバの大活躍によってチーム初となるチャンピオンズリーグ優勝を決めたバイエルンとの試合を振り返ります。

 

 

 

ミュンヘンでの激闘

 

試合前

2012年5月19日、11-12UEFAチャンピオンズリーグ決勝はチェルシーvsバイエルン・ミュンヘン-。

欧州最強チームの称号を求め勝ち抜いてきたチームも残すところこの2つ。しかしお互いの戦力とチーム状況を鑑みれば、圧倒的なバイエルン有利とした下馬評は正しかったと言えるだろう。

 

バイエルンブンデスリーガ得点ランク2位のマリオ・ゴメスを筆頭に抜群のスピードを誇るアリエン・ロッベンフランク・リベリーの両翼、卓越した得点感覚を持つトーマス・ミュラーらが攻撃を牽引。その後のバイエルンを支え続けることになるマヌエル・ノイアーやキャプテンのフィリップ・ラームが守備を支え、その間にはトニ・クロースバスティアン・シュバインシュタイガーのドイツ代表コンビを挟む布陣。ダビド・アラババドシュトゥバーらを欠きながらもスタメンの力は落ちなかった。

 

そしてホームアドバンテージ。「フースバル・アリーナ・ミュンヘン」には聞き覚えがなくとも「アリアンツ・アレーナ」を聞いたことがないサッカーファンは少ないだろう。規定上呼称は変わるがそこは紛れもなくドイツ絶対王者のホーム。真っ赤に染まったスタンドの後押しもバイエルンの士気を高めることは間違いなかった。

 

バイエルンはGSを首位で抜けると順調に勝ち進む。準決勝ではレアル・マドリードと激闘を繰り広げPK戦の末マヌエル・ノイアーの活躍もあり撃破する。名手イケル・カシージャスを破りいよいよ真のトップへとノイアーが名乗りをあげる時である。「ロベリー」と称される強烈なウイングはレアル戦でも輝きを見せていた。

 

一方のリーグ戦では2年連続でボルシア・ドルトムントに優勝を許し、カップ戦でもドルトムント相手に苦汁を舐めた。しかしその分最後の、そして最大のタイトルとなったCLには並々ならぬ決意を持って臨んだことは想像に難くない。

 

 

 

対するチェルシーは盤石とは程遠いチーム状況だった。

新監督として招聘された「モウリーニョ2世」ことアンドレ・ビラス・ボアスはベテラン勢との衝突もありリーグ戦では不振に喘いだ。CLでもラウンド16の1st leg、ナポリとのアウェーゲームを1-3で落とすと解任が決まり、アシスタントコーチのロベルト・ディマッティオが暫定的に指揮を執った。

不利な中迎えたナポリとの2nd legでは出場機会を失っていたベテラン勢が躍動。ドログバの一撃で流れを引き寄せるとジョン・テリーの一撃が炸裂。ギョクハン・インレルに得点を許すも、フランク・ランパードのPK、同点で迎えた延長ではブラニスラフ・イヴァノビッチのシュートが決まり準々決勝に駒を進めた。

 

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(Telegraphより)暫定監督のままCL決勝に導いたロベルト・ディマッティオ

 

 

ベンフィカとの準々決勝もサロモン・カルーの得点で競り勝ち、迎えた相手は昨季CL覇者、ペップ・グアルディオラ率いるバルセロナであった。

1st legは徹底的に押し込まれながらも、神がかり的なプレーを見せていたペトル・チェフをはじめとした守備陣の奮闘でゴールを許さない。するとワンチャンスがこの男の元に訪れる。抜け出したラミレスのボールに巧みな動きでフリーになったのはドログバ。至近距離から左足でねじ込んだ一撃を守りきりカンプ・ノウに向かった。

 

2nd legは前に出るしかないバルセロナの圧力の前に大苦戦を強いられる。セルヒオ・ブスケッツがタイに戻すとテリーがアレクシス・サンチェスへの膝蹴りで一発退場。数的不利を見逃さなかったのはかつてチェルシーの希望を残り1分で打ち砕いたアンドレス・イニエスタ。コントロールショットの前に再び夢は潰えたかに思えた。

崖っぷちのチェルシーを救ったのは第1戦でアシストを記録したラミレス。芸術的なループシュートが劣勢のチームを一歩前に押し出した。その後はさらに圧力を強めたバルサの猛攻にさらされながらも、後半ATに「エルニーニョ」がハーフウェイラインから独走。ダビド・デ・ヘアをかわして外した二の鉄は踏まず、冷静に沈めて勝負あり。

 

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BBCより)高額な移籍金を全回収するまさに「千金」な一撃だった

 

 

しかし激闘の代償は重く、バルセロナ戦で大車輪の活躍を見せたラミレスや主将のテリー、ユーティリティ性の高いイヴァノビッチ、中盤のファイター、ラウール・メイレレスが出場停止と苦しい構成を強いられた。

 

決勝の段階で既にリーグ戦は6位で終えており、終盤戦ではCL決勝を見据えドログバ温存などの策をとり照準を合わせてきていた。

 

 

 

 

「既に全盛期ではない」と言われた選手たちばかりが満身創痍でたどり着いた決勝の地。試合後の退団が確実視されていたドログバはこの時34歳。テリーに変わりキャプテンを務めたランパードは33歳。ロッベンと対峙したアシュリー・コールも30を超えていた。不調に苦しむフェルナンド・トーレスも加味すれば「現在のワールドクラスはチェフだけ」と囁かれていたのも無理はない。

 

 

それでも、気持ちで負けることはなかった。

 

 

 

 

決勝

戦前の予想通りに攻めるバイエルン、守るチェルシーという構図に試合は展開する。チェルシーはこの試合バルセロナ戦で負傷したケーヒルがなんとか間に合わせ、ウイングで出場したライアン・バートランドに関しては決勝でCLデビューした初の選手という記録がつくほど選手層に難を抱えていた。

攻め立てるバイエルンの前に体を投げ出すDF。それをもかいくぐって放たれたシュートには今大会当たり続けていたチェフが掻き出した。マリオ・ゴメスには何度も決定機が訪れるが決めきれない。リベリのシュートはオフサイドの旗に助けられた。

 

 

一方のチェルシーノイアーを慌てさせる場面が作れない。頼みの綱のドログバにもボールが渡らず、10番マタのセットプレーは獲得すらできない。

 

そして、ついに均衡が破れる。

 

 

 

持っている男

83分、左サイドのクロースから柔らかいクロスが上がる。再三の好守を見せていたコールの裏から飛び込んだのはミュラー。角度がほとんどない中で叩きつけたヘディングシュート。ここまでチームを救ってきたチェフの頭上を抜いた。

 

 

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(Daily Mailより)難易度の高いヘッドで先制点を奪ったミュラー

 

 

歓喜に沸く「ホーム」。チェルシーによぎる決勝で惜敗した記憶。だがそれでも下を向くことはなかった。

 

迎えた88分。右サイドで粘った途中出場のトーレスがCKを得る。この試合初めてのCKだった。チェルシーでは苦しい時期を過ごしたが、準決勝のダメ押し弾に続いて値千金の仕事になった。

 

既にCBのダニエル・ファン・ブイテンを投入し逃げ切りムードのバイエルン。まさにラストチャンス。キッカーはファン・マヌエル・マタ

 

左足で上げたボール。ニアに走り込むドログバは既にジェローム・ボアテングの前を取っていた。最後の抵抗とばかりにプッシュしバランスを崩させようとするボアテング

だが百戦錬磨のエースのボディバランスはその程度ではビクともしない。上体を捻り全盛期に勝るとも劣らない強烈なヘッドがノイアーの手を弾きゴールネットを揺らした。

 

 

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(Action Plusより)渾身の一撃が枠を捉える。

 

今までの鬱憤を晴らす豪快な一撃に熱狂するブルーズ。大一番で誰よりも頼れる男が、この日「も」チェルシーを救った。

 

結果的に見ればゴメスらの方がチャンスは多く、実際ブンデスであげた26ゴールはドログバの5ゴール、トーレスの6ゴールを足しても程遠い。当時の能力を鑑みれば確かに相手のが上だったはずだ。

 

しかし、ドログバには「これ」がある。圧倒的な勝負強さ。リーグ戦では決して得点を量産していたわけではない。それでも、決めるべき時には必ず決める。それがディディエ・ドログバである。

 

 

迎えた延長戦。バイエルンの攻勢は変わらない。するとここで痛恨の失態を犯す。後ろからボールを狙ったドログバの足がリベリーにかかる。主審はPKスポットを指差した。

 

万事休すー。かと思われたがロッベンのシュートを完全に読み切ったチェフがドンピシャのストップ。普段は温厚で感情を表に出すことの少ないチェフがこの時はがっちりと、しっかりとボールを抱え込んだ。

 

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(Daily Mailより)決勝でもスーパーサーブを連発したチェフ

 

バルセロナ戦に引き続きドログバの与えたPKは失点には繋がらなかった。今から振り返れば、それもまた彼の「持ってる」ことの暗示だろうか。

 

 

PK戦

そのままスコアは動かず試合はPK戦へ突入。試合前の評判や試合展開を考えればチェルシーとしては御の字、一方のバイエルンとしては勝てた試合との思いもあっただろう。

 

しかし最後の試練がチェルシーに訪れる。1番目のキッカーのマタが失敗。チーム屈指の名手の失敗。直後のラームは気持ちで捻じ込み、ホームチームが再び優位に立つ。

それでもルイス、ランパードが勢いよく決めるとバルセロナ戦からPKのコースを全て読み続けていたチェフがとうとうその手にキックを捉えた。オリッチのキックを止めるとプレッシャーに負けたのか5番目のシュバインシュタイガーの右足はポストを叩いた。

 

決めれば勝ちの状況。当然ボールを持つのはあの男。対するはPKも強い名手ノイアー

誰もが息詰まる心理戦だったが意外にもドログバは素早く動いた。後に「時間をかければかけるほど読まれやすくなる。」と振り返る。

確かなシュート技術。大一番で魅せるメンタル。数多の激闘の経験。

 

右足で放たれた丁寧なキックが、ノイアーの逆をついた。

 

 

 

 

優勝、そして

歓喜に沸く選手とサポーター。チャンピオンズリーグのトロフィーがチームの歴史に初めて刻まれた。

 

 

往年のチェルシーサポーターが歓喜する一方で、「この試合を見てチェルシーのファンになった」というサポーターも多い。特に翌年のCWCが日本で開催されたこともあって日本のチェルシーサポーターにとっては大きな意味を持つ試合になった。

 

 

 

もちろん影響は直接チームにも及ぶ。前年優勝枠としてCL出場権が確保されるようになり、今のチームを引っ張るエース、エデン・アザールが移籍を決めた。また実質的な主将を務めるようにまでなったセサル・アスピリクエタもこの翌年にチームに加わっている。

 

ドログバ自身はこのPKをチェルシーでのラストタッチとして退団。その後復帰したが、1年でアメリカへと渡った。

 

 

そして2018年11月8日、現役引退を発表した。

 

 

 

引退

チェルシー史上初となるビッグイヤー獲得に多大な貢献を見せたドログバ

引退を表明するとかつての盟友を中心に多くのメッセージが寄せられた。

 

「人間としても模範」

 

同試合でファンが選ぶ最優秀選手に輝いたチェフの言葉。短いながらも雄弁に、あの日UEFA選出の最優秀選手となった男を語っている。

 

 

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(sky sportsより)まさに、レジェンド。

 

 

 

終わりに

というわけで「レジェンド」が伝説を作った日のことを書いてみました。今から思い返すと懐かしい、というかもう7年も前のことなんですね…

 

ドログバチェルシーもその後様々なことがありましたが、特に昨今は絶対的なCF問題に悩むことも多く、ドログバの偉大さを感じることも少なくないですね。

 

とはいえきっとドログバも今いる選手達を信じて応援しているはずです。

 

せっかくの来日イベントということで、大いに盛り上がり、是非何度も来ていただきたいですね!

 

頑張れ横浜タイア。

 

それではまた。

〜おしまい〜

 

 

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